最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

2004年7−9月分                     

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
 

   ◆月に一度の例会とイレギラーで飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

 >>ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをいただければ、早い時期(忘れない内)なら、販売店をご紹介いたします。<<
 


 

 吟醸酒の会へのお誘い 

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イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です◇


 2004年 9月25日(土)

1.高橋庄作(福島県会津若松市)  純米吟醸  「会津娘」  生酒
原料米;会津五百万石、 精米歩合;60%   【アルコール分】17〜18度  【日本酒度】+2〜3 【酸度】1.5〜1.7   1.8L  \2,625 (税込)
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評; 良く出来た吟醸酒。60%精米でこの値段なら最上級のお買い得品。料理を引き立て肩肘張らず晩酌の世界にお供をしてくれる良き娘。普段呑むならこの娘で過不足無し。毎晩付き合っても文句を言わない、イイ娘である。

 

2.天寶一(広島県神辺町)  吟醸原酒  「天寶一」  生もと造り
原料米;山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】17度  【日本酒度】−2 【酸度】1.2   1.8L  \2,835 (税込)
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;バランス、品性共に秀逸。上の娘同様、この値段では最上級の出来です。爽やかさらさらと喉元を過ぎていく。

 

3.日の丸醸造(秋田県増田町)  純米吟醸  「十文字(まんさくの花)」  生原酒
原料米;山田錦+美山錦、 精米歩合;50・55%   【アルコール分】17〜18度  【日本酒度】−2.5 【酸度】1.5   【酵母】協会9号  1.8L  \2,943 (税込)
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;良く造られた吟醸酒。酸味が旨味に変化して、円熟の境地になった柔らかい吟醸酒。薄化粧の熟女、今が最高!

 

4.小林酒造(栃木県小山市)  純米吟醸  「鳳凰美田」  生酒
原料米;栃木県産若水、 精米歩合;55%   【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+4 【酸度】1.5   1.8L  \3,000 (税込)
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;”ひやおろし”なのに、新酒の味わいを残した酸味が爽やか。

 

5.伴野酒造(長野県佐久市)  純米吟醸  「澤の花・山田錦」  
原料米;山田錦、 精米歩合;麹50、掛米55%   【アルコール分】16.2度  【日本酒度】+2 【酸度】1.6   【酵母】協会9号  1.8L  \3,045 (税込)
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評; さらさら喉を通っていく、爽やか、さっぱり、押しつけが無く安心して呑める。香り少な目であるが、バランス良く今が飲み頃で、飲み手を引きつける。

 

6.鍋店(なべだな、千葉県成田市)  純米吟醸  「仁勇」  無濾過生原酒、袋吊り
原料米;美山錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】17〜18度  【日本酒度】+4 【酸度】1.7   1.8L  \3,300 (税込)
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス3+、D;総合評価4
E寸評;吟醸香、味共に良く出来た吟醸酒だが、造りがもう一歩こなれていない。

 

■今回の吟醸酒達のなんと味わいが似通った美女達なのであろう。(一つだけ違いますが)どの蔵元も品良く爽やかな造りになっています。このイイ個性は大事で必要な事ですが、どれも似通ってくると、それが個性の無さに通じる危険性があります。
 決して、悪い方向で横並びでなく、イイ方向で横並びが嬉しいのですが、それは贅沢な悩みというのでしょうか。

 国産ワインも新酒の時期を迎えています。保存剤も含まれていない、正真正銘の混ぜものなしのワインが多く出てきました。今年の国産葡萄は品質良く豊作ですから、最高のビンテージワインになっています。山形産のワインは今年も最高。


 2004年 8月28日(土)

1.大澤酒造(長野県望月町)  純米吟醸  「明鏡止水」  
原料米;−、 精米歩合;−%   【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+1 【酸度】1.6   1.8L  \2,755 (税込)
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;雑味が無く、柔らかな中から馥郁とした味わいが沸き出してくる。品性高く呑み人に媚びない。

 

2.山口酒造場(福岡県北野町)  特別純米  「庭の鶯」 無濾過  
原料米;山田錦+レイホウ、 精米歩合;山田錦50%・レイホウ60%   【アルコール分】17度    1.8L  \2,730 (税込)
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評; まず一羽のうぐいすを描いたラベルデザインが独特で秀逸。しかし、鶯はウグイス色はしていなくスズメによく似た色合いの鳥だと、話題沸騰。
 本題に戻って、ざらつき感があるが、旨味が十分あり飲み終えたあと次の一杯を催促する、後引きウグイスです。

写真は広辞苑より

3.墨廼江(すみのえ)酒造(宮城県石巻市)  別仕込純米酒 「墨廼江 雄町」 
原料米;雄町  精米歩合;60%  【アルコール分】16〜17度      1.8L 3,045 円(税込)
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評; バランス良く出来た吟醸酒。精米歩合60%は後から知ると驚きである。ヌカ臭もなく、爽やかで精米歩合50%になんら負けていない。

 

4.桑原酒場(島根県益田市)  純米吟醸袋吊り 「扶桑鶴 凌雲(りょううん)」  
原料米;佐香(さか)錦(島根県産酒造好適米)  精米歩合;50%  【アルコール分】16.5度   【日本酒度】+3  【酸度】1.8  【酵母】協会9号   1.8L 3,045 円(税込)
A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;柔らかく丸く清楚。香り少な目。味は決して薄くはないがさっぱり感あり。

 

5.初亀酒造(静岡県岡部町)  吟醸 「初亀 高草山田錦」 原酒
原料米;静岡産山田錦  精米歩合;60%  【アルコール分】17〜18度   【日本酒度】+2   【酵母】協会9号   1.8L 3,045 円(税込)
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;旨味充分で、太い味覚を味合わせてくれる。キレは良いが後味に一抹の不安が。

 

6.喜多酒造(滋賀県八日市市)  純米大吟醸 「喜楽長 夢銀河」 
原料米;−  精米歩合;50%  【アルコール分】16〜17度      1.8L 3,150 円(税込)
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;バランス良く、濃厚な旨味が口中に広がり、至福の時をあじ逢わせてくれます。

 

 今回は3000円前後のお酒を揃えて、個性の違い を楽しんでみました。どのお酒も品良く、雑味もなく味わいは充分すぎるほど良く出来ています。どの酒も甲乙付けがたく、たいした差違は認められませんでした。価格帯では激戦区だと思われますが、このクラスで充分吟醸酒を味わう事が出来ます。ハズレの商品が無く嬉しい限りです。

 


 2004年 7月31日(土)

1.八戸酒造(青森県八戸市)  純米吟醸 「陸奥八仙」 中汲み無濾過原酒
原料米;華吹雪  精米歩合;55% 【アルコール分】17.6度  【日本酒度】+4  【酸度】1.5  【酵母】協会1601号    1.8L 3,000円(税込)
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評; 上品な吟醸香が鼻先にお迎えです。味わいもバランスが取れた品のイイ物です。純米でこれだけの切れ味と品性はなかなか見つける事が出来ないでしょう。味わい濃厚で、若干の渋みを口中に残します。

 

2.豊盃(ほうはい)醸造元(青森県弘前市) 純米吟醸 「豊盃 山田錦仕込
原料米;山田錦  精米歩合;55% 【アルコール分】15〜16度   【日本酒度】+3 【酸度】1.7  【使用酵母】K901号  1.8L 3,000円(税込)
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;薄く琥珀色に色づいています。香り控えめ、味わい優しく柔らか。強引な押しつけがましさは有りませんし、料理に合わせる心遣いを持ち合わせています。自分は決して表舞台には立たず、料理を引き立て、気が付いたら豊盃の舞台であった。

 

3.豊盃(ほうはい)醸造元(青森県弘前市) 吟醸酒 「豊盃」 火入れ
原料米;華想い  精米歩合;55%  【アルコール分】15〜16度  1.8L 3,360円 (税込)
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;純米酒ではありません。と言う事はアルコール添加されています。アルコール添加されていると言う事はモロミ(絞られる前のどろどろの状態の酒)に若干のアルコールを添加し、酒粕中に逃げてしまう、旨味と香りを引き出し、清酒中に溶かし込む事を目的としています。それによって全ての旨味、香りを酒の中に引き出すのです。増量剤としてのアルコール添加ではありません。鑑評会で金賞を取るのはこのクラスで、後述の「月の輪」も同じです。
 吟醸豊盃は、味、香り申し分ない出来です。飲み疲れをせず、いつまでも手が伸びる逸品です。

 

4.雑賀(さいか)豊太郎商店(和歌山県和歌山市) 純吟原酒 「雑賀 初呑切り」 一度火入れの原酒
原料米;雄町  精米歩合;50%  【アルコール分】18〜19度    1.8L 3,150円 (税込)
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価 4+
E寸評; 相変わらず旨い雑賀です。品の良さ、喉ごしのキレは流石です。アルコール度数が高いだけ呑むのが苦しくなります。優しさより、激しさ、料理に合わせるより、酒の個性が先立ちます。

 

5.月の輪酒造店(岩手県柴波町) 大吟醸 「月の輪 金賞受賞酒」  
原料米;山田錦  精米歩合;40% 【アルコール分】16.0〜16.9度  【日本酒度】+5   720ml 3,000円(税込)
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;杜氏さんと酒の神にただ只感謝するのみです。品性もバランスも語るだけ不謹慎でしょう。黙って至福の時を味わうのみ。

 

6.神沢川酒造場(静岡県由比町)  純米大吟醸  「天満月(あまみつき)」 生貯蔵酒
原料米;酒母米・山田錦23%、掛米・吟ぎんが77%、 精米歩合;酒母米35% 、掛米50%  【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+2 【酸度】1. 2  1.8L  \3,675 (税込)
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評; 5月にも呑んでいますがその余韻は如何に。
旨いものはいつ呑んでも旨い。そーなんです、同じロットだったのです。

 

7.成羽大関酒造(岡山県成羽町)  純米酒  「大仰天」 関谷オリジナル酒
原料米;雄町、 精米歩合;60%  【アルコール分】15〜16度 【日本酒度】+3.5〜4 【酸度】1. 3  1.8L  二千円台
 A;味3、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3−
E寸評;飛び入り君。会友が買い求めて差し入れてくれたものです。関谷ブランドは我々の会の発祥の原点です。当時の吟醸酒の旨さは他に比肩出来ないほど飛び抜けたものでした。
 この「大仰天」、純米の欠点がもろ出て、ヌカ臭はするし、吟醸酒とはうたっていませんが、このランクの酒がどれだけ値打ちがあるのでしょう。
 金額が安いから不味いのは当たり前の発想ではいかがなものでしょうか。旨いものを造る意欲がなくなったのでしょうか。先月呑んだ「思わず絶句」も彼の作品です。あえて我が師への苦言とします。

 


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