1999年7月から12月まで呑んだ吟醸酒について
これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。お金を払って買い求めた物についてのみ、書きます(メーカースポンサーになっていません)。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への判断基準を書きます。
A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
99年12月25日
1.田端酒造(和歌山市) 特選大吟醸 龍寿「羅生門」 原料米、精米歩合;社の方針として非公開 1.8L @10,500
A;味5、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;食品のノーベル賞といわれるモンド・セレクション(ブリュッセル)において1999年度の世界最高の酒として、特別金賞”グランプリ”を受賞。11年連続して世界一になって、マスコミでも報道された吟醸酒中の逸品。絶対量が少なく”幻の酒”と言われている?。
ヨーロッパ人が見た”酒”のイメージと言うものが、この酒の神髄なのでしょう。
味は控えめ、香りも控えめ、自己主張も控えめ、可もなし不可もなし。私は美人とか、才女とか、才能が溢れ出るような光り輝く雰囲気無し。ごく素直な誰でもつきあえる、隣のお姉さんと言える雰囲気。一度は話題で飲みたいが、プレミア価格で買うほどの物では無い。例えば美人コンテストで、世界一をねらうなら、目鼻立ちがしっかりとしていて、ボデーも世界で見劣りしないようなグラマラスな美女を選んで出場させるように、この吟醸酒は世界一かも知れないが、日本一では無いと思う。2.本江酒造(魚津市) 大吟醸「平成十年 酒造年度」 原料米;山田錦 精米歩合;40% 1.8L 10,000
A;味5、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4
E寸評;関矢ブランドでは価格・品質最高の吟醸酒とされ、毎年この時期にお目見えする逸品。丸山繁 杜氏が高齢のため引退、最後の作品。
なんと言って書出したらいいのか、名杜氏の引退を拍手をもって送出す感情とは裏腹に、野球で言うと、4番を打ちながら打率が下がってきた、過去の名選手の引退間際の状況に、重ね合せてしまうのが悲しい。スポーツの世界では力の減退がハッキリ判るように、芸術の世界や”酒”の世界でも同じなのか?、また、引退試合を見ているような趣さえある。3.本江酒造(魚津市) 純米吟醸「花夕月」生酒 原料米;山田錦 精米歩合;50% 1.8L @3,200
A;味4+、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;純米酒の欠点を全く感じさせないすごさと、特に純米酒では不可能なぐらい香り立ちが素晴しく、アルテン酒ですら引離すほどの力量を持っている。品格が素晴しく丸山繁 杜氏の力量を充分出し切った吟醸酒と言えるでしょう。4.本江酒造(魚津市) 吟醸純米酒「文句なし!」 原料米;山田錦 精米歩合;60% 1.8L @2,430
A;味3+、B;香り3+、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4
E寸評;精米歩合の低さから来る、俗に言う日本酒くささがあるが、吟醸純米酒の欠点を全く感じさせず、味香り控えめ、良い酒は水の如しと言うが、この吟醸酒もこの例に漏れずさらりとしておしとやか、食中酒としては最高。決して自己主張をせず、どんな料理でも殺さず引立てて食事を楽しくさせてくれる。プロの料理店にはベストな組合わせである。1升2,430円は安い。
99年11月27日
1.一ノ蔵(宮城県) 発砲純米酒「すず音」 原料米、精米歩合;表示無し
A;味3−、B;香り1、C;コストパーホーマンス3−、D;総合評価2
E寸評;蔵元曰く、<瓶内発酵によって生れる繊細な泡が、まるでシャンパンを思わせる発砲純米酒です。>加えて、濁り酒なので軽く中身を混ぜてから開栓するという、デリケートなお酒ですが、味・形態・飲口はサイダーそのもの。アルコール度数もビール並でパーティーの余興としては大変良いと思われるが、そこまで。2.中本酒造(山口県) 秋芳 手造り「大吟醸酒」 原料米、精米歩合;表示無し
A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4
E寸評;裏ラベルがないので裏切られることを承知で、おそるおそる購入したのだが、どうしてどうして、堂々たる味わいで、脱帽。 味はアルコール臭も無くバランスが取れていて、口の中で旨さが転がるように広がり、喉ごしの軽い爽やか感。飲み終った後に若干酸味が残るが、すっきりであり辛口淡麗。私美人で当り前と言うようなシャンとした所があり、品位もあって申分のない仕上りになっている。3.篠崎(福岡県) 国菊 純米吟醸「古処山」 原料米;山田錦 精米歩合;40%
A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;私は純米吟醸酒で良い物は皆無に近いと常ずね言っているが、今回この「古処山」は例外中の例外としておく。純米吟醸酒でこれ程の味・香りを醸し出している物は滅多にお目にかかれない。アルテンされた吟醸酒も裸足で逃出すほど、バランスの取れた味、口の中で広がる香り、どれをとっても一流中の一流品。一期一会、出会いの素晴しさに乾杯。4.英君酒造(静岡県) 1999年大吟醸出品酒 綿袋吊るし搾り 「雫酒」 原料米;山田錦 精米歩合;40%
A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;1999年大吟醸出品酒で、本年東海4県の新酒鑑評会にて2位を獲得。限定30本(1升瓶換算)の内の1本。綿のフィルターが荒いので酒が牛乳のように白濁している袋吊酒。 横綱の貫禄とはこの事だろう。言葉を尽さず、ただ黙って飲むのみ。脱帽。 見てくれはこれから胃の検査をするために飲む”バリウム”を連想させるが(失礼!)、口中白濁したもろみ成分の違和感が全く感じられず、ほんのり旨味が広がり、香りとともに掃出されるタメ息は、旨いという言葉と一緒に飲込んでしまい、ただ目を細め感嘆するのみである。酒の神様に感謝、感謝。一期一会、出会いの素晴しさに、ここでも乾杯。5.秋鹿酒造(大阪府) 西暦2000年記念 特別仕込「大吟醸」 原料米;山田錦 精米歩合;50%
A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;関矢健二オリジナルの酒で今回初登場。秋鹿酒造と言う大メーカーでこれだけの吟醸酒が出来ることに逆説的に驚く。ほんのり暖かみのあるご婦人を連想させるほど、練れた味わいと、すっきりした都会的なセンスと、細身で華奢な着こなしだが、骨のあるしかりした風情が感じられる。気が付くと1升瓶が空になるほど、付合いの良い吟醸酒である。常温では、ますますその旨味と香りの特徴が出てくる。◆今日は何人もの美女(吟醸酒)と会え、それぞれの美女が語りかけてくる、問わず語りに時間の経つのが早すぎる悲しさを、久しぶりに味わった素晴しい一夜であった。
99年10月23日1.宮坂醸造(諏訪市) 真澄 大吟醸「楽最真(らくさいしん)」 原料米;山田錦 精米歩合;45%
A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス 会員持込み酒、D;総合評価4
E寸評; 真澄の蔵元と言えば、清酒酵母<協会7号>の発祥蔵でもあり、また鑑評会ではたびたび受賞をしている優れた蔵元でもあり、コンピュータ管理を一部ではあるが導入するなど、品質には多大な努力を注入している。その蔵元の、吟醸酒の中でもランクの高い位置の大吟醸酒であろうが、先入観を除いて飲んでみた。味は今流行の淡麗辛口で上品だが、平坦で個性のない物足りなさを感じる、街中を歩いているごく普通のお嬢様みたいで、振向かせるだけの輝きがない。香りは押しつけがましくなく、爽やかなのに残念。
大吟醸酒には味覚だけではなくて、光り輝くもの、相手を感動させるもの、作者の感性、コンセプト、初対面の感激、品性等々酒の中のドラマを感じさせてくれなくてはならないと思う、特に宮坂酒造のような最上級な蔵元さんには言わせてもらいたいし、お願いしたい。
追記:ホームページ上で宮坂醸造(諏訪市)の事が判ります。URL: http://www.masumi-sake.com です。よろしければリンクしてます。2.中村酒造(萩市) 宮船大吟醸「しろうおの里」 原料米;山田錦 精米歩合;45%
A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4
E寸評;味は適度に濃厚、クリームのような滑らかさと、雑味が無く喉ごしの良さは抜群、アルコール臭が無くバランスが取れている。料理と平行して飲む食中酒より、食後酒として食後にゆっくり味わいたい。なお500ml 1500円(税込)は適当な価格設定?で買いやすい。3.三浦酒造(山口県) 大吟醸「白狐」原酒 原料米;山田錦 精米歩合;35%
A;味3+、B;香り3+、C;コストパーホーマンス3−、D;総合評価3
E寸評; 舌触りにざらつきがあり爽やかさがない。しかしバランスが取れていて香りも充分。表示では辛口になっているが、口の中で甘味を感じる。表示と味は必ずしも一致しないという好例です。 500ml 1700円(税別)は高すぎる。4.竹下本店(島根県) 純米吟醸「出雲譽」 原料米;山田錦.幸玉 精米歩合;55%
A;味3−、B;香り3−、C;コストパーホーマンス2、D;総合評価3−
E寸評; 純米酒の欠点が全て出てしまったような品質の吟醸酒である。 先月、B「思わず絶句」と反対の極みにある吟醸酒である。他社の純米酒も大体がこのレベルの品質で、悲しいかな純米酒のイイ物にはなかなか出会えない。
(後日特記;この蔵は店名でも判ると思うが、元首相の竹下氏の実家で、今は弟の三郎氏が13代目を継いでいる)5.本江酒造(魚津市) 吟醸生酒「蜃気楼の見える街」 原料米;山田錦 精米歩合;−%
A;味4+、B;香り4+、C;コストパーホーマンス4、D;総合評価4+
E寸評; この酒はにごり酒でもろみ成分が若干酒の中に混じり、薄く白濁している。口の中で甘く軽やかに転がり、異物感は全くなく”米の液体”とは是だという実感が沸く。上質のワインのように爽やか快適淡麗であり、飲む者に媚びない。目をつむって思うに、魚介類を豊富にはぐくむ日本海の冷たさの中に豊かさを見る思いがある。6.小島酒造(栃木県) 吟醸酒「名残り雲」 原料米;山田錦 精米歩合;50%
A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;今年、小島酒造で1番の出来がこの吟醸酒であろうと思われるほど。味は軽快爽やか、香りも品良く軽やか、気負いも無くヤングの熱気を感じる。どんな料理にも合い肴を負かすこともなく、引立てる。1升2600円、他の蔵元さんもこのコストパーホーマンスを負かしてほしい。番外;ワイン 月山トラヤワイナリー(山形県) 新酒「月山山麓」1999トラヤワイン白 山形県産ぶどう100%使用
A;味4、B;香り4、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;このワインが出ると秋が来たことを感じさし、風物詩のようになっている。今年は平年並以上の味で仕上っている。1升2000円でお釣りが来る安さ、白である飲口の爽やかさと軽快感の中にしっかりとした酸味と果汁の甘味、ワインと言うより、絞り立てのジュースを飲んでいるような、旨さと安心感がありフルーティーである。女性好みの飲み易さ、ワイン入門用として裏切られない。同じヌーボーでもボジョレーものとは、味も品性も旨さも値段も全て上である。これを飲むと、有名なもの、マスコミが取上げるものが、旨いとは限らないことが良く判る。しかし絶対量が少なく直ぐ売切れてしまう。残念。飲み過ぎないように。
99年9月25日1.本江酒造(魚津)、大吟醸「北洋大吟醸袋吊り」 原料米;山田錦 精米歩合;40%
A味;5 B香り;5 Cコストパーホーマンス;4+ D総合評価;5
E寸評;先ず袋吊について、これはもろみをろ過して清酒にする時に通常ではフィルターに入れたもろみを圧搾機で圧力を掛けて最後の一滴まで絞りきります。袋吊(別名首吊り、自然絞り等という)では袋状のフィルターを天井または鴨居から吊し、もろみの自重のみで、自然落下してくるのを時間を掛けて貯めた物がこの酒です。特徴として、いやな成分がでず、味が素直で、飲み心地がいい、反面、空気に触れる時間が長い分、香りが抜けやすく、手間が掛り少量しか生産できない難しさがあるので、通常最上級吟醸酒にしかこの方法を用いない。
本題の当吟醸酒はこの袋吊の上、吟醸酒中の吟醸酒。ただ黙って飲むのみ。淡麗中庸な味で品があって出しゃばらない。東山魁夷の富士を観るような日本一の美に今まさに遭遇している感激がある。香りについても、程良く爽やかで、戻り香が次ぎえの一杯を誘うようである。1升8000円を高いというか、安いというか。ただワインのビンテージ物の数万円以上もすることを考えると、手間暇掛けてそれと同等以上の味を持っているこの吟醸酒は安いと言えるだろう。Cコストパーホーマンス;5に訂正。 当蔵元の人間国宝と言っても過言ではない、80歳を越えた杜氏 丸山 繁 氏にただ感謝。2.小島酒造店(栃木)、吟醸酒「やる気満々」 原料米;山田錦 精米歩合;50%
A味;4 B香り;3 Cコストパーホーマンス;4+ D総合評価;3+
E寸評; 上記の北洋と比べると可哀想だが(比べては、いけない)、1升2350円でこれだけの酒が飲め〜か(江戸っ子風の巻舌で言う)。と言うほど、元気な粋の良さが身上。気軽にいつでも飲めるのがイイ。水の良さと育ちの良さが出ている。3.酒六酒造(愛媛)、純米大吟醸「思わず絶句」 原料米;山田錦 精米歩合;40%
A味;5 B香り;5 Cコストパーホーマンス;4+ D総合評価;5
E寸評; 純米酒の良いところは混ぜ物がないだけ、欠点は味がもたつき、喉ごしの切れが悪く、香りも華やかさがないのが特徴だが、この吟醸酒はこの様な欠点がことごとく無く、先入観無しに飲むと「これが純米?」と言うほど完成された味と香りを持っている。純米づくりではトップであろう。他社も見習ってほしい手本のような純米酒である。イイ物はイイの代表的存在の吟醸酒。
4.本江酒造(魚津市)、大吟醸生酒「人しれず”哀”に酔いしれて」 原料米;山田錦 精米歩合;50%
A味;5 B香り;5 Cコストパーホーマンス;4+ D総合評価;5
E寸評;通称「哀(あい)」と呼ばれ、 ”淡麗”とはこの酒のために贈られたような言葉だ。と思いたくなるような爽やかさと、歯切れのいい喉ごし、清楚な香りと若さを感じさす風合。誰が飲んでも「うまい!」のひとこと。1年中いつ飲んでも同じ品位を保っている。720ml、2400円。1升瓶が無い。いつも飲みた〜い。5.古屋酒造(佐久市)、大吟醸「深山桜」 原料米;美山錦 精米歩合;39%
A味;4 B香り;4 Cコストパーホーマンス;3 D総合評価;4
E寸評; 淡麗清楚、香り立ちも見事。山田錦の重厚さに比べ爽やか、美山錦の長所を余すことなく醸し出した一品。山田錦も恥ずかしくて逃出す。辛口と言うより酒精分が薄い感じ、裏返して言うとアルコール臭が勝ちすぎている。6.磯酒造(笠間市)、純米大吟醸「稲魂(=とうこん)」 原料米;山田錦 精米歩合;45% 使用酵母;アルプス
A味;4 B香り;3 Cコストパーホーマンス;3 D総合評価;3+
E寸評; バランスの取れた味わいだが、どうしても純米の鈍重さが全面に出てきてしまう。味も喉ごしも重く軽快さがない。純米にこだわらず、イイ物はイイで喉ごし爽やかな吟醸酒を提供して下さい。────────────────────────────────────────
99年8月28日1.酒六酒造(愛媛)、大吟醸「吹毛剣」 原料米;山田錦 精米歩合;40%
A味;5 B香り;5 Cコストパーホーマンス;4+ D総合評価;5
E寸評; これぞ大吟醸酒と言うべき味、香り、風格、品位、何一つ取っても名品中の名品。ただ、5千円台(1升瓶)ではいつも飲むというわけには行かない。日本刀の上の髪の毛が風に吹かれて切れる、というぐらいの、ネーミングから察しが付くように、喉ごしの切れ味は最高級である。一度は飲みたい吟醸酒である。2.島崎酒造(栃木県)、東力士・大吟醸「薫(=かおり)」、 原料米;山田錦 精米歩合;40%
A味;5 B香り;5 Cコストパーホーマンス;4 D総合評価;4+
E寸評; 関矢酒以外で、最近購入した吟醸酒の中では最高の品質、品位で、味、香りともに申し分が無く淡麗な中に品格が有る。造り慣れた余裕すら見え、安心して飲める。久しぶりの親友に会えた様な、競馬で当った様な喜びがあった。4合瓶で3000円はやむおえないか?。最近の吟醸酒の平均値的な価格だが、どの吟醸酒も2000円以下で出してほしい。3.会津松栄酒造(会津若松)、会津藩 「純米大吟醸」、 原料米;八反錦80%山田錦20% 精米歩合;40% 使用酵母;うつくしま夢酵母、
A味;3 B香り;3 Cコストパーホーマンス;2 D総合評価;3−
E寸評; 純米独特の重さと、喉ごしの切れがない。特に飲み後の、のどの奥に酸味がいつまでもこびりついて離れず、2杯、3杯と杯を重ねると、加重されて飲みたくなくなる。それさえ無ければ、1ランク質が上なのに残念。大吟醸酒の”大”はいらない。 この吟醸酒は冷して飲むより常温の方が素直になる。 酵母も自分の県で開発し、向上心いっぱいの福島産の今後を期待したい。
追記:うつくしま夢酵母に付いての細かい記述がホームページ上にあります。リンク先:http://www.asaka.ne.jp/%7Esakef1/welcome.html のF1ミィーティングで見られます。4.佐浦(塩釜市)、純米吟醸 「浦霞禅」 原料米;不明 精米歩合;不明
A味;2 B香り;2 Cコストパーホーマンス;2 D総合評価;2
E;寸評 吟醸酒とうたっているが、すべての面で本醸造クラスである。5.宝酒造(京都)、特撰松竹梅 純米<生酒> 原料米;不明 精米歩合;65%
A;2 B;2 C;会員持込み酒 D;2−
E寸評; 吟醸酒では無く普通酒である。普通酒につきコメントしない。
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99年7月24日1.本江酒造(魚津)、吟醸生酒「かげろうの花・生」、原料米;山田錦60% 五百万石40% 精米歩合;50%
A味;4+ B香り;4+ Cコストパーホーマンス;5 D総合評価;4+
E寸評; 当可愛会の基準酒ではあるが、売切れになることが欠点。味、香り、はコストから見れば最上。時には大吟醸酒の風格さえ持つ、淡麗で品が良くプレゼントしても当方の顔を潰さないし、安心して飲める唯一の吟醸酒。1升3000円でお釣りがくる。2.小島酒造(栃木)、本醸造生酒「雪がすみ」原料米;山田錦 精米歩合;50%
A味;4 B香り;3 Cコストパーホーマンス;5 D総合評価;4
E寸評; 小島酒造の中で今ピカイチ。本醸造とうたっているが、原料米を見ても吟醸酒と何ら変わりない。爽やかな味と、 控えめの香り、どんな料理にも合う。1升2300円からは考えられない高品質。3.横内酒造(山梨)、大吟醸「榊正宗」原料米;兵庫 山田錦 精米歩合;39%
A味;4 B香り;4 Cコストパーホーマンス;2 D総合評価;3
E寸評; 平成10年4月東京国税局清酒鑑評会金賞受賞酒のラベル有り、当然ロットは違うで有ろう。味も香りも軽快素直、しかし酸味が残る。丁寧に造られた杜氏の気持が、飲み手に伝わる。もしか すると 良くも悪くも、仕込水の質がもろに出ているのでは無いか。しかし高すぎる。4.漆戸醸造(長野)、大吟醸「井乃頭」原料米;兵庫 山田錦 精米歩合;39%
A味;3 B香り;3 Cコストパーホーマンス;2 D総合評価;3−
E寸評; のどごしが重すぎる。お変りが苦しくなるが、山田錦の旨さを引出し切れていなく、もったいない。雑味が有り品がない。ア ルコール度数も高く、オンザロックとしてなら。 大吟醸酒では肩の荷が重すぎる。
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