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話41〜50
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<目次>
吟醸酒について <日本酒その裏話・表話>
◇話41. 吟醸酒の歴史 ◇話42. お酒のカロリー数 ◇話43. 無濾過酒 ◇話44. お酒で失敗しない方法を教えて下さい! ◇話45. 市販酒類の県別成分等について ◇話46. 酒類課税数量の推移 ◇話47. 清酒業界の現状
吟醸酒について <日本酒その裏話・表話>
◇話41.吟醸酒の歴史
其の一
「吟醸」というのは、「吟味して醸造した酒」という意味合いで、明治から大正のころ使われはじめた言葉です。
昭和5〜6年(1930〜1931)頃に、竪型精米機(たてがたせいまいき)が登場し、精米歩合50〜60%の精米が可能となり、「吟醸香」と呼ばれる果物のような香りがあらわれたと推測されます。
昭和40年代になると、吟醸造りの研究や技術開発で品質が向上していきました。ただし、できた酒はもっぱら品評会用に、ごく少量造られたもので、市販はされませんでした。
昭和50年(1975)、日本酒造組合中央会の「清酒の表示に関する基準」で製造法による分類表示の区分が実施され、「吟醸酒」が市場にあらわれはじめました。
その後、吟醸酒は続々と商品化されるようになり、平成2年(1990)には、「清酒の製法品質表示基準」という法律によって「吟醸酒」と表示できる条件が定められました。現在では、「吟醸酒」という言葉も定着し、その数量も年々増加しています。
http://www.gekkeikan.co.jp/databank/data/00166.html さんのホームページより、
吟醸酒の歴史 其の二
今回の酒の知恵袋は、大吟醸の仕込みが終わった話題にちなんで「吟醸酒の歴史」についてお話したいと思います。
まず皆様、「吟醸酒」という言葉をお知りになったのはいつごろからでしょうか?ここ数年で日本酒のファンになられた方は「吟醸酒」というもの自体が昔からあったと思われるかも知れませんが、実はごく最近になって知られ始めたものなのです。
そもそも「吟醸」という言葉は「『吟』味して『醸』す」という意味が込められています。吟醸酒自体は明治時代から存在していましたが、それは一般に出回るようなお酒ではなく、現在の全国新酒鑑評会にあたる「清酒品評会」に出品するための特別なお酒でした。そんな特別な吟醸酒が世に出回り
始めたのは、昭和の初期になってからのことでした。
しかし先ほども書きましたが、吟醸酒という酒を知ったのはごく最近ではないでしょうか?なぜ昭和の初期に誕生した吟醸酒が最近になるまで知られることはなかったのでしょうか?
それは「売れなかったから」です。現在は淡麗辛口の嗜好が主流となっていますが、昭和初期のころは濃い甘口が主流となっていました。そんな時代に誕生した吟醸酒は、当時の人にとってはあまりにも淡白で受け入れられなかったのです。それからまもなく日本は戦争に突入し、食糧不足の中で米を大幅に削る吟醸酒は製造禁止となりました。終戦を迎え、戦後になってもしばらくは吟醸酒の製造禁止が続きました。しかし、一部の吟醸酒の素晴らしさを知る人たちはそんな中にあっても、国税庁の全国新酒鑑評会に吟醸酒を造り、出品をはじめました。
やがて時が流れ、吟醸酒の製造が解禁されるのですが、味の嗜好はまだまだ甘口主流で、やはり吟醸酒は売れませんでした。その嗜好に変化が見え始めたのは昭和40年代の後半ごろ、この頃になって現在の淡麗辛口が好まれるようになりました。そしてこの消費者の嗜好の変化と共に、それまで売れなかった吟醸酒がようやく知られるようになり始めてきました。そして昭和50年に「清酒の内容表示」が実施され、「吟醸」という表示が特定名称の表記として正式に決められ、世の中に知られるようになっていきました。
日本酒自体の歴史は古く奈良時代から存在していたとされていますが、吟醸酒の歴史はまだまだ浅いものです。現時点の完成度はまだ発展途上の段階で、これからさらに昇華する可能性をおおいに秘めているお酒と言えるでしょう。賀茂緑「蔵だよりメール」 第32号 平成13年2月1日発行メルマガ ■酒の知恵袋より引用。
◇話42.お酒のカロリー数
ビール 200ml
ワイン 100ml
日本酒 75ml
梅酒 60ml
焼酎20度 70ml
焼酎25度 55ml
焼酎30度 40ml
ウイスキー 30ml
ブランデー 30ml
ウオッカ 30ml
ジン 30ml
ラム 30ml
これだけ飲むと、どれでも80Kcalです。
アルコール度数が同じなら、同じカロリー数になります。
ですから、うまみ成分の多いドリンク(酒)がプラス余分なカロリーとなります。
お酒を味わうにはビール、ワイン、いっぺんに酔いたいときはウイスキー・・・ラム酒です。寝酒に呑むのはウイスキー等です。
飲み過ぎるのは、薄いビールから始まって、濃い酒に移っていくので、後半がっくと酔いが回ります。
◇話43.無濾過酒「無濾過」というのは、醗酵を止めたもろみを麻袋や圧搾機でしぼり、その搾った液体が「清酒」で、残った搾り粕が「酒粕」となる訳ですが、その搾ったばかりの清酒に木灰を入れる「炭素濾過」や「フィルター」でこして無色透明にするなどの作業をいっさい行わない清酒のことです。
数年前までは、「うすにごり」と表示して販売していた蔵元もありました。
それは、「無濾過」で販売した場合、数日たってお客様の手元に届いてから液体中にわずかに残っている「もろみ」が沈殿している場合があるからです。それを危惧して、出荷時にはにごっていないお酒なのですが、「うすにごり」と表記していたところもありました。
昔風に言えば、「槽前酒」(ふなまえざけ)という蔵の中でしか飲めなかったタイプの清酒です。
※(「槽(ふね)」というのは、清酒を搾る機械のことです。)
しかしながら、最近では「いっさいの濾過処理をしない」という意味ではなく、清酒に木灰を入れる「炭素濾過」をしていないお酒という意味合いで商品名につける蔵元が多くなりました。
純米酒や吟醸酒などは、明確なガイドラインはあるのですが、「無濾過」については、なんら明確なガイドラインは無いのが現状です。たとえ「フィルター」でしっかりと「濾過」をしていても、「無濾過」と表示す
る蔵元が多くなってきています。
よくお客様に「無濾過で売った方が蔵元の手間がかからないから売りやすいんじゃないの?」といわれますが、通常の濾過、火入れ(加熱殺菌)のお酒のほうが、はるかに保存管理しやすく売りやすいんです。
無濾過で販売すると言う事は、しっかりとした「オリ引き」(にごりを沈殿させる事)と低温管理(熟成が進みやすいので)が絶対条件で、厳密に言えば1本、1本が管理次第で違う味わいになってしまいます。
瓶詰めされてからも、監視の目をゆるめる事の出来ない売るにはほんとにむずかしい種類のお酒です。しかも、これらは「本生」が多いジャンルで、保存管理は徹底しないと、いざ飲むときに味のイメージが全然違う物になりやすいお酒です。
「濾過」をしないというのは色んな旨味成分がそのまま入っているお酒でコクがあり、最近主流になりつつありますが、その分劣化しやすい面も持ち合わせたお酒です。しかし、熟成が進みやすくお客様それぞれが自分にあった飲み頃で楽しめるといったこともできるので、昔にはなかった飲用スタイルも可能なお酒です。
なぜこんなお酒が出てきたのかというと、清酒の流通、販売において冷蔵というのがごく一般的になり、品質劣化を避けて販売が可能になった事と、最近の日本酒事情でネーミングやイメージ戦略が蔵元間で熾烈になってきたという向きもありますが、一番の原因は「なぜ、旨味のある日本酒を造っても濾過をしなければならないのか?食用ではない[木灰]をいつまでも使用しつづけていいのだろうか」という意見が、蔵元内や業界内からでてきたのが一番の要因ではなかろうかと思っております。
しかし、大手の酒造メーカー各社では「無濾過」については否定的です。大手のポリシーでは「安定供給、安定生産、品質の均一化」が大前提だからです。それに、「無濾過」の造りは大手のような工場ラインでは実現が難しいからです。それに対し、小回りの利く小規模の蔵元ではより手間暇と、技術力のいる「無濾過」こそが今後の生き残り策としてもっとも力を入れているジャンルでしょう。
「無濾過」は私の大好きなお酒の種類です。
「酒のさの」佐野洋一 m(__)m「酒のさの」 http://sano.tyo.ne.jp 佐野洋一氏のメールより引用。
◇話44.お酒で失敗しない方法を教えて下さい!
特命リサーチ報告 2003/01/19 報告
友達や同僚と楽しくくつろげるお酒の席。しかし、中にはつい飲み過ぎて体調を崩したり、酔って失敗をした経験がある人もいるのではないだろうか。そこで、寄せられた質問にお答えしながら「お酒で失敗しないとされる方法」を紹介していこう。
質問@「お酒を飲んだ時、記憶をなくさない方法を教えて下さい」
飲みすぎた次の日、昨晩の記憶が全くない。そんな経験をしたことはないだろうか?星薬科大学の阿部博士によれば、人間の記憶には、ついさっき体験したことの記憶である「短期記憶」と、長期間にわたって覚えておくことのできる「長期記憶」があり、お酒には、「短期記憶」が「長期記憶」になることを妨害する作用があるという。阿部博士によれば、アルコールが脳内に入ると、脳の中の海馬で、記憶の伝達を行うグルタミン酸を受け取る「NMDAレセプター」の働きが阻害され、長期記憶が作られにくくなるというのだ。そのため、重要な出来事でも翌日覚えていないという人は、NMDAレセプターがアルコールの影響を受けているといえるのである。
では、お酒を飲んだ時記憶をなくさないためにはどうすれば良いのか?東京大学の斉藤名誉教授によれば、飲酒前にサフランに含まれるクロシンという成分を摂取しておくと、飲んでも記憶を失いにくくなるという。酔って記憶をなくしたくない場合は、お酒を飲むときの最低2、3時間前にサフランを直接食べるか、サフランが使われているパエリアやブイヤベースなどを食べておくと効果的であると考えられる。
質問A「酒癖が悪く感情的になってしまう自分を抑える方法を教えて下さい」
血中アルコール濃度が0.1%を超えると、神経細胞の働きが抑制され、理性を司る大脳新皮質が麻痺してしまうという。すると、抑えきれなくなった本能的欲求や感情が表に出てきてしまうことがある。倉敷芸術科学大学の須見教授によれば、感情的にならないために血中アルコール濃度を高めない3つの飲酒法を行えば良いという。
方法@「お酒をゆっくり飲む」
お酒をひと息に飲むと、肝臓のアルコール処理が間に合わなくなり、処理しきれなかったアルコールが血中に溶け込み、脳に回ってしまう。そのため、お酒はゆっくり飲むのが良いと考えられる。
方法A「たんぱく質や脂肪を含むつまみを摂る」
たんぱく質や脂肪を含むつまみを食べながら飲むと、それらを消化するために、アルコールの吸収自体も遅くなり、血中アルコール濃度の上昇を抑えることができる。また、飲酒の直前に胃に食べ物を入れておくこともすすめられる。
方法B「ソフトドリンクなどを飲み、尿をたくさん出す」
飲酒時の排尿には、血中濃度の1.2倍ものアルコールが含まれており、尿をたくさん出せば、それだけ血中アルコール濃度を下げることができると考えられる。
質問B「いろんな種類のお酒を一緒に飲む、つまり"ちゃんぽんする"と酔いが早いって本当ですか?」
久里浜病院の樋口医師によれば、"ちゃんぽん"により、どんなお酒が体の中で混ざってもアルコールであることに変わりはなく、相互作用はないという。大切なのは、自分が今どれくらいアルコールを摂取しているか把握することである。例えば、ビール大ビン一本のアルコール量は、日本酒一合。サワーならおよそ二杯、ウィスキーならダブル一杯、ワインなら二杯程度である。
質問C 「私は他のお酒を飲んでも大丈夫なのですが、ワインを飲むと必ず頭が痛くなります。人によって合うお酒、合わないお酒ってあるのでしょうか?」
須見教授によれば、ワインに限り頭痛を引き起こす2つの成分が含まれているという。
頭痛を引き起こす成分@「亜硫酸」
ワインに含まれる酸化防止剤の亜硫酸は、摂り過ぎると肝臓に負担をかける。すると、元々肝機能の弱い人や、すでに飲み過ぎている人などは、血中アルコール濃度が高まってしまい酔いやすくなってしまう。だが、亜硫酸は酸素と結びつくと分解されるので、デキャンタージュやワイングラスを回すことである程度取り除ける。
頭痛を引き起こす成分A「チラミン」
チラミンとは、赤ぶどうの皮に含まれるアミノ酸が発酵した時に生成される成分で、血管を収縮させる作用がある。こめかみや脳の血管は、収縮後、元に戻ろうとして拡張するため、その際に周囲にある三叉神経が刺激され、頭痛を引き起こすのだ。チラミンは、ワインだけでなくチーズにも含まれる。また、チョコレートにも血管を収縮させるカフェインが含まれているので、これらの摂り過ぎには注意する。
質問D「私は日によってお酒に酔いやすい時があります。体調や気分に関係なく酔いやすい時ってあるのですか?」
女性の場合、生理前はアルコールの分解を抑えるエストロゲンというホルモンが分泌されるため、酔いやすくなるという。そのため、女性は生理前にはお酒は慎重に飲んだほうが良いと考えられる。また、飲酒時に一緒に摂る食事やつまみが酔いに影響する事もあるという。シジミ・ホタテ・キムチ・ウニ・お酢・牛肉などに含まれている「アラニン」、また、ネギやニンニクなどに含まれる「アリシン」を摂取することで、肝臓のアルコール分解を効率的にし、ある程度、酔いを抑えることができる。TV特命リサーチ報告「お酒で失敗しない方法を教えて下さい! 」 2003/01/19 報告 より
◇話45.市販酒類の県別成分等について
国税庁では、酒類の品質及び安全性の確保を図るため、「全国市販酒類調査」を行っています。調査の結果は品質の向上等のため、製造者に利用されています。平成13年度実施分の結果は、以下のとおりです。
ロ 特定名称清酒の特色
特定名称清酒の分析結果等を示す。各特定名称酒と一般酒間の特色は次のとおりである。
(イ) アルコール分
平均値は、吟醸酒が15.72度、純米酒が15.32度、本醸造酒が15.45度で、一般酒の平均値15.32度と比べると、吟醸酒の平均値がやや高い。(ロ) 日本酒度
平均値は、吟醸酒が+3.6、純米酒が+2.6、本醸造酒が+3.3で、一般酒の平均値+1.9と比べると、いずれも高い。(ハ) 酸度
平均値は、吟醸酒が1.32、純米酒が1.52、本醸造酒が1.29で、一般酒の平均値1.19と比べると、純米酒がやや高い。(ニ) アミノ酸度
平均値は、吟醸酒が1.32、純米酒が1.70、本醸造酒が1.57で、一般酒の平均値1.34と比べると、純米酒、本醸造酒はやや高い。(ホ) 甘辛度
平均値は、吟醸酒が−0.27、純米酒が−0.42、本醸造酒が−0.21で、一般酒の平均値0.03と比べると、いずれも辛口傾向であり、特に純米酒が辛口傾向が強い。(へ) 濃淡度
平均値は、吟醸酒が−0.70、純米酒が−0.28、本醸造酒が−0.74で、一般酒の平均値−0.86と比べると、いずれも濃醇で、特に純米酒が濃醇である。
表3 平成13年度の一般酒及び特定名称清酒等の成分
区分 一 般 酒 吟 醸 酒 純 米 酒 本醸造酒 試 料 数 455 326 282 267 アルコール分 平 均 値 15.32 15.72 15.32 15.45 標準偏差 0.51 0.77 0.73 0.61 日本酒度 平 均 値 +1.9 +3.6 +2.6 +3.3 標準偏差 3.1 2.2 5.1 3.1 酸 度 平 均 値 1.19 1.32 1.52 1.29 標準偏差 0.19 0.24 0.38 0.19 アミノ酸度 平 均 値 1.34 1.32 1.70 1.57 標準偏差 0.34 0.33 0.39 0.35 甘 辛 度 平 均 値 0.03 -0.27 -0.42 -0.21 濃 淡 度 平 均 値 -0.86 -0.70 -0.28 -0.74
図5 平成13年度各県甘辛度(日本酒度の式)
図6 平成13年度各県濃淡度(日本酒度の式)
図7 各県の甘辛度・濃淡度(平均値)
図8 甘辛度・濃淡度の経年変化 http://www.nta.go.jp/category/sake/10/seibun/01.htm 平成14年9月 国税庁鑑定企画官室より
◇話46.酒類課税数量の推移
清酒の消費量が減って大変だとは聞きますが、具体的にはどのぐらい減っているのでしょう。統計から見てみましょう。
○清酒の平成6年1,243,124kl生産されていたのが平成16年752,961klの生産です。対比率60.6%
○ビールは平成6年7,085,713kl生産されていたのが平成16年3,810,118klの生産です。対比率65.9%
こちらも激減していますが、その理由は発泡酒、第3のビールに取られたからです。
発泡酒は平成6年23,438kl生産されていたのが平成16年2,278,355klの生産です。対比率9720.8%
雑酒に分類される第3のビールは平成6年4,828kl生産されていたのが平成16年260,520klの生産です。対比率7,751.3%。対比率凄いですね。その3種類を合わせたビール類でも対比率では89%ですから、下がっています。では何が躍進したのでしょうか。
○それは焼酎です。平成6年605,091kl生産されていたのが平成16年963,860klの生産です。対比率136.8%。
数量で見ても平成15年に清酒を追い抜いています。○全ての酒類の合計の推移は平成6年9,572,408kl生産されていたのが平成16年9,182,158klの生産です。対比率95.9%でした。アルコール類の消費量が全体でも減っているのが分かります。
繰り返しますが、全体の平均からも清酒が大きく落ち込んでいるのが分かります。
「飲み過ぎに注意しましょう」が、効いているのでしょう。
清酒業界の現状
薄々は感じていましたが、清酒業界はもっともっと強固な基盤の上に立っていると思っていました。ところが、98.9%(大部分)の藏が中小または個人経営で成り立っています。一般の蔵元に行けば広い敷地に藏づくりの工場があり立派だと思ったのはうわべだけで、凄いのは歴史だけだったようです。
中小約1千300藏(約7割)の生産量は一藏当たり年間200klにも満たないのです。その上、総生産量が力を合わせても、大手0.8%(15藏)の生産量の2割(51,634kl、8.7%)にしかなりません。この事実で分かる事は、小企業の蔵元がどんなに頑張っても地元の酒を造るだけに留まってしまう量なのです。その中から頑張って酒質を改善し、一般酒からレベルの高い特定名称酒にシフト出来た蔵元は生き残る事が出来るのでしょう。本当に良い商品を開発提供出来ない蔵元は消えていく事になるでしょう。
地酒ブーム(?)と言われていますが、限られた名の通った有名藏の酒が喜ばれていますので、まだまだの感があります。一部気骨のある酒屋さんがやっているように、藏も流通業者も協力して、大消費地に良い地酒を紹介してほしいと願います。消費者も肩書きに惑わかされず、自分の舌で新しい伴侶を捜してください。清酒製造業者数 (平成15年度)
資本金3億円以下で従業員300人以下 1700藏 それ以外(の大手) 21藏 個人藏 115藏 合計 1836藏 中小企業割合 98.9% 生産量の比率 (平成15年)
生産量 藏数 藏数の割合 合計生産量 生産量の割合 200klまでの生産藏 1,368藏 73.3% 51,634kl 8.7% 10000klを越える藏 15藏 0.8% 251,388kl 42.2% 両資料とも国税庁課税部酒税課資料より作成
寒仕込みと山廃仕込み
投稿者:吟醸 投稿日:2016年12月17日(土)21時51分14秒
シッチーさん
二つのご質問
まずは、寒仕込み
納豆ではありませんが、日本酒も菌から造られます。
この日本酒の菌はひ弱で繊細です。誰かと同じです。
空中には雑菌がウヨウヨしていて、この雑菌が仕込み中の桶の中に入ると
また、木の桶からしみ出した雑菌により、酒造りが失敗して
廃造と言って、大変な損害を出してしまいます。
雑菌の活動が弱くなる、真冬=寒に造られ安定した状態で醸されます。
現在の大手では、建物ごと冷房を効かせて、また、タルは琺瑯やステンレスになっています。
また、低温の方がイイ酒が出来ます。
で、わざわざ「寒仕込み」とうたっています。
葡萄酒は秋の収穫時に、日本酒は冬の時期に造られます。
山廃仕込み
正式には山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)と言います。
山卸とは仕込みの最初の段階で、お米と水と麹米を入れて、かき混ぜすりつぶします。
この作業が蔵人に重労働を強いるのです。
だれしも、この作業をパスしたいと思うには当たり前で、それを可能にした麹を使って
お米を溶かし、次の工程に進ませます。
工程的には細かい違いが有りますが、大きな違いは味が違います。
例えば砂糖とサッカリン。大間で捕れたマグロと遠洋漁業の冷凍マグロ。
どっちがどっち、とは言いませんが、私は山廃は遠慮させて貰っています。
何事にも例外はあって、通常の仕込みでも不味い物も沢山有りますし、
山廃でも旨いものはありますが、砂の中から砂金を探すようなものです。
二つのことば、業界に精通していなければ解らない言葉です。
これを、仰々しくラベルに張り付けると、さも・・・、と言うようになります。
他にも騙すことばに、「金賞受賞蔵」。その蔵で、過去に受賞経験があると言うだけで
その酒とは何ら関係がありません。金賞受賞酒とは違います。
また、天然水使用、○○山の伏流水使用、皆当たり前のことで、驚くことはありません。
ま、肩書きの多い酒に旨いものがあったためしはありません。
酒は飲んで自分で味わって、その善し悪しを体感してください。
酒造について
投稿者:吟醸 投稿日:2016年12月19日(月)12時22分28秒
シッチーさん
質問の件ですが、
1.はおおむねその通りです。出来たものはパラパラの米です。
2.出来上がった1.の米麹と仕込み水と蒸し米と乳酸を小さなタンクに入れます。
そこに純粋培養した酵母を加えます。
この状態を「酒母」と言います。
ご質問の乳酸菌はここで入れられます。
米麹はデンプンを糖化して甘酒状態になり、それを酵母が食べてアルコールになります。
小さなタンクですから、酵母は腹ぺこで餌(デンプン)が来るのを待っています。
大きなタンクに移し、3回に分けて量を増やしていきます。
それを三段腹、いえ、三段仕込みと言います。
乳酸菌はヤクルトで有名ですが、それを入れてはいけません。
専用の乳酸菌で、悪玉の雑菌を押さえるために混入します。
乳酸菌からはアルコールも香りも生成しません。
お酒は搾る時に、酒粕に旨味とか香りが着いていって、酒本体が淡泊なものになります
そこでアルコールを添加すると、その香りや旨味が、酒の中に溶け込んできます
バランスの取れた酒になります。
アルコールはその様に使うのであって、安酒の増量のために使う物と区別して
考えなければいけません。
でもその辺が解っていないと、純粋の純米酒はイイんだ、と単純に思う消費者が出て来ます。
日本酒も技術が上がって、アルコールを添加しなくても上質の日本酒が出来るようになりました
これからはもっと、純米酒が増えるでしょう。
>「フルーティー」な酒は、コメの精米割合が高いものに多いのでしょうか?
これは、吟醸造りと言って、単純に普通酒の造りと違って、高度な手間をかけた造りをしていますので、フルーティーな香りが出て来ます。
酒造好適米、精米歩合、酵母、仕込み期間、手間のかけ方、全て違います。
本醸造は、その様な名前の酒だと割り切りましょう。
吟醸さん>
投稿者:シッチー 投稿日:2016年12月18日(日)08時27分10秒
詳しい解説をありがとうございます。
私、けっこう良いところを突いたようですね:笑
「寒仕込み」わかりました。
中には 「イカン仕込み」もありそうですね。
「山廃」のところでひとつ質問が。
1.まず「酒米」を蒸してから「室」で広げて麹菌を混ぜて米麹を大量に増やす。
2.この米麹と水を仕込み樽に入れて一晩寝かせて、そこに別に量産した「酒母」を
混ぜ込んで熟成発行させる。
つまり、「1」でコメの澱粉を「糖」に分解させ、「2」で発酵させてアルコールを
造る。
お聞きしたいのは、乳酸菌はどこに関係してくるのでしょうか?
「酒母」自体が「酵母菌」という乳酸菌なのでしょうか?
私が嫌いな「フルーティー」な酒は、コメの精米割合が高いものに多いのでしょうか?
「純米酒」という分類の酒が苦手なのですが。
その「純米酒」で「酒の肴」にいろいろ食べることに無理を感じます。
私的に ということですが。
「本醸造」という言葉もなにやら なにが「本」なのかどうか。
別に作ったアルコールと水を添加してあるのに どうも「?」なのです。
ここで ひとまず 休憩? 一杯やって来ますので、後ほど次のコーナーでお会いしましょう。
テーマをいただければ、私の知る限りで続きを書きます。